予感?直感?偶然? 今日は義父の命日です。

約20年前の8月14日、

義父が

亡くなりました。

80歳の誕生日を迎えた

4日後のことでした。

 

義父の葬儀で、

私たち夫婦は

新品の

夏物の礼服に身を包み

喪主を務めました。

 

同年の夏、

めったに買い物に行かない夫と

たまたま出かけた時のことです。

「礼服はいかがですか?」

と、声をかけられました。

購入する予定は全くなかったのですが、

「夏物があってもいいよね。」

と、作ることにしたんです。

夫と一緒に買い物に来ることも

あまりないので

作っておこう、

そんな軽い気持ちでした。

 

8月初旬に

出来上がった礼服を受け取りに行った際

セールをしていたので、

ついでに

私の夏用の礼服も

購入しました。

 

 

お盆は

いつも夫の実家で過ごしています。

8月13日に帰省すると、

いつも元気に迎えてくれる義父が

風邪をひいたと

布団を敷いて寝ていたんです。

 

その姿を見たら

なぜか涙があふれてきて。

「おじいちゃん、なんで寝てるのー!」

と、声を上げて泣いてしまいました。

なぜ泣いてしまったのか

よくわかりません。

でも、

涙が止まらず

わんわんと泣く私に、

義父は

「泣くなー。泣くなー。」

と、涙ぐみながら

くるっと背中を向けてしまいました。

涙を

見られまいと

したのかもしれません。

 

14日の午前中

入院することになりました。

お盆休み中なので、

安心のためということでの

入院でした。

 

12時に昼食

18時に夕食を食べ終わった頃には、

お盆の帰省で集まっていた

親戚が病室に

大集合。

満杯状態でした。

 

20時頃

「あれ、おじいちゃん動いてないよね?」

 

「本当だ!」

 

「先生、親父亡くなったんですか?」

 

「…はい。」

 

苦しむこともなく、

静かに

眠るように

家族みんなに見守られながら

亡くなりました。

 

2人でそろえた礼服を

まさか

こんなに早く着ることになるとは

思ってもいませんでした。

 

礼服の購入は

予感だったのか、

直感だったのか、

偶然なのか…

 

どうなのかは

わかりません。

 

数年後

「あんなに泣いたのは、

 亡くなるのがわかっていたの?」

と、義母に聞かれたことがありました。

 

よくわからないけど、

なんでかわからないけど、

あの時は

とにかく

悲しくて悲しくて

泣いてしまったんです。

  

今思い出しても

涙が溢れそうになります。

話し好きで

温厚、

頼もしく

明るい

大好きな義父でした。