元気でいることを願って…6歳で心臓病に倒れたAくんの話し。
これは、私が幼稚園に通っていた頃のお話しです。
ある時、先生が言いました。
「Aくんは東京に行ったから、しばらくお休みしますね。」
「東京に遊びに行ったのかな。いいな~。うらやましいな。」
私は、ただ単純にこう思ったことを覚えています。
しかし、それからしばらく経ったある日、
先生とクラスの代表の子数人でAくんのお葬式に行くことになったのです。
心臓の手術をするために東京の病院へ行ったこと、
その手術が成功しなかったことを後になって知りました。
Aくんの家は自転車屋さんでした。
お店の前を通る時、なんとなく気になってお店を覗くと
いつも店の奥の方でAくんのお父さんが黙々と仕事をしていました。
高校2年生の時、母と一緒に自転車を買いに行きました。
Aくんと同じ幼稚園だったことを伝えると、
「じゃあ17歳なんだね。」
亡くなってからもずっとAくんが心の中にいるのでしょう。
「Aくんのこと、いつも思っているんだね。」
母と、こう話しながら帰りました。
医学は日々進歩しています。
Aくんの病も、今なら治せたのかもしれません。
6歳で天国に行ったAくんが、
健康な体で生まれ変わり、
きっとどこかで自転車に乗って遊んでいると、私は信じています。
願っています。
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